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昭和元禄落語心中 最終回 結末 ネタバレ注意

最終話は「助六再び篇」の締めくくりでもあります。八代目有楽亭八雲が亡くなってから15年後の話です。

小夏の息子である信之助は、若くして十人抜きで二つ目に昇進することが決まり、新たな寄席の杮落としを目前にしています。

桜舞う中で八代目八雲のプレイリストを聴く姿に、「こんなに大きくなって…」と思ってしまいます。

打ち合わせの席に現れなかったことにおかんむりの母の様子を伝えてきたのは、信之助の妹の小雪。こちらは次期九代目八雲(与太郎)と小夏の間に生まれた娘で、父親は違えどとても仲の良い兄妹です。

落ち着いていてマイペースに見える信之助ですが、未だに威勢の良い母の小夏の前では頭が上がらないようです。

九代目八雲を贔屓にしている作家の樋口は、小夏が史上初の女性落語家になるまで共に落語を見直し、新作落語も世に出してきました。

樋口は自分の本当の母親が、小夏の母親であるみよ吉ではないかと長年考えてきました。

みよ吉は彼の父の妾だったのではないかという推測と、自身が八代目八雲の周りで仕事をしていたということもあってか、信之助の本当の父親が誰なのかを小夏に追求します。

小夏が信之助を身籠った時には父親は明かしませんでしたが、身近に信之助の成長を見守っていた彼だからこそ、もしや本当の父親は八代目八雲ではないかと感じ始めたのでしょう。

それまで自分には小夏と八代目八雲がそのような仲には全く見えませんでしたが、樋口はそうだと仮定すれば二代目助六と八代目八雲の血がかよう信之助の存在に興奮しているようにさえ思えました。

昭和の激動の時代を生きながら落語が廃れてしまうのではないかという懸念を抱きつつも、伝説的な二人の落語家の血が途絶えていないことに嬉しそうでした。

一方そんな憶測を聞いても小夏は一生口を割らないと決めています。

今までは八代目八雲に対して、両親(特に父親の二代目助六)を殺されたと憎しみを抱いてきたはずでした。

しかし、信之助や小雪を育ててきた中で、きっと小夏自身も成長したのか、八代目に抱いていた感情は恋だったのではないかと認めるような発言もありました。

そうだったらいいようなよくないような、知りたいような知りたくないような複雑な気持ちになります。

どのみち、今が幸せそうなので小夏の判断は正しかったと思います。

新しい寄席と襲名の口上の場面は、これからも年齢や性別に関係なく引き継がれ、落語は生き続けることの象徴のようで感動的でした。

実際の世界でもそのように時代に沿って生き続けていると思うので、このまま残って欲しいです。

信之助は二代目有楽亭菊比古となり、九代目八雲から初代助六の扇子を受け継ぎます。小夏の父であり信之助の祖父である助六の扇子がボロボロになりながらも残っているのが最後に出てきたのには泣けてきますね。

開口一番は緊張でフラフラだった信之助も、この扇子と父九代目八雲の言葉のお陰で活き活きと初天神を演じ切りました。

普段はあまり表情が豊かな方では無いように見えますが、高座に上がればガラリと変わります。

トリの九代目八雲は先代の十八番だった死神をかけている最中に、なんと先代八雲の姿が見えるようになっていたことに気がつきます。

今までは元気いっぱい愛嬌で頑張ってきたような与太郎も、名人の名を継ぎ年を重ねれば、自然と死というものが近づいてきたと思い知らされる瞬間でした。

タイトルの通り、落語が滅んでしまうときは心中だと先代の八雲は言っていたのですが、九代目はこんな面白いものが無くなるわけが無いと屈託の無い笑顔でこの話は終わります。

長い時間をかけて受け継がれてきた落語は、現代にも共に生きる落語家がいて、これからもきっと滅ぶことなく残っていくのだろうと思わせてくれる作品でした。

ただおかしいだけではなく、死神のような少し怪談のようにゾワっとする噺も多くあるので、実際に寄席に聞きに行きたくなってしまいました!