39話 Kiss キス 11月号
今回は、主人公の倉田志のぶを含む人間関係に微妙な動きがありました。
一番気になったのは、北上顕定とモデル・乃和の関係です。
乃和は人気のあるモデルですが、芸能の仕事を辞めるつもりでいます。つきあいのあるマネージャーが説得しても引退の準備を進めており、その決心は固そうに見えました。
乃和と仕事で関わっている顕定は、元気のない乃和を心配しています。
顕定がダイアモンドに対して拒否感を持っていた乃和の本心を見抜き、スフェーンという宝石を代わりに提案する場面が素敵でした。
スフェーンはダイアモンドにひけをとらないほど美しい輝きを放つのですが、加工がとても難しく、繊細な宝石だと言われているそうです。
誰にも言えない悩みを1人で抱えている乃和を見ていると、大変そうだなと思いました。しかし、顕定が仕事相手という範囲を飛び越えて乃和という女性個人に対する気持ちが生まれそうになっている流れには、ちょっと待ったをかけたくなりました。
確かに顕定と乃和は性格上で共通するところがあると思うし、並んでいても大人のカップルという感じでお似合いだとは思います。
しかし、このままだと、ずっと顕定を慕ってきた主人公の志のぶの気持ちはどうなるのでしょうか。このところ、志のぶが顕定への気持ちを再認識して、いい感じになってきたのにと思うと、やきもきさせられました。
40話 Kiss キス 12月号
今回は、主人公の倉田志のぶと北上顕定が、北上家について新たな情報を得るという内容でした。
前回までにいろいろな問題に直面した顕定が、情報が多すぎて混乱してしまう流れが面白かったです。
顕定といえば、仕事も対人関係も上手にこなしているという印象が強い人物でした。
しかし今回は、自分が気になる問題が多すぎて、顕定はうまい対応ができなくなってしまいます。
あの顕定も、悩みが重なるとこんな風に不器用になってしまうというのが意外で、面白かったです。
顕定の不調は、仕事の忙しさと、自分の家のこと、対人関係の悩みがいっきに重なったのが原因ではないかと思いました。
人間の処理できる量には限度というものがあります。
常に考え続けていると脳が疲れきってしまうので、まずはいったん休養をとって、疲れをリセットしたほうがいいと思いました。
顕定の不調に、志のぶが気がついてくれたところでは、ほっとしました。
乃和の存在も気になりますが、やはりこういうときに一番近くにいる志のぶが動いてくれるのは、心強いなと感じました。
今回面白かったのは、志のぶが偶然、北上家についての情報を見つけたことです。
大学教授と学生たちという、新たな味方を見つけた志のぶたちが、どうやって北上家の秘密に迫っていくのかが楽しみです。