3話 officeYOU オフィスユー 11月号
今回は、住んだ人が謎の失踪をとげる部屋にまつわる事件の解決編でした。
住んだ人が消えるというのは、自然と消えてしまうのではなく、背景にさまざまな事情がありました。
前回登場した人物たちの裏の事情が次々と明らかにされて、すっきりしました。
あやしく見えた人がまっとうな目的を持っていたり、ちゃんとした人に見えていた人がとんでもないことになったりして、面白かったです。
事件に関係していた人たちに、ハルが問題点をずばずばと指摘していくのが痛快でした。
事件の渦中にいる当事者は、目の前のことに対応するのがせいいっぱいで、後先のことまで考えられない状態にあります。
しかし、ハルは基本的に部外者なので、客観的な意見を言えます。ハルはもともとはっきりした性格なので、ここぞというときに必要なことを言えます。
ハルの率直な意見に動かされた人たちが、自分の現状をいいほうに変えるために勇気を出して動き出すという流れが良かったです。
事件の解決に、ハルの節約癖が役に立つという流れには笑いました。
ハルは自分の生活に必要だからとった行動で、深く考えないでしたことなのに、それが真相をあばく大きなきっかけになるというのが良かったです。
また、ハルについている守護霊・源一郎の活躍も良かったです。真犯人を見事な動きで足止めする場面が、かっこ良かったです。
源一郎の動きが鋭かったのは、もしかして死ぬ前の人生が関係しているのかなと思いました。まだまだ先のことになるとは思いますが、源一郎の生前の姿やハルとの関係が明かされる話を楽しみにしています。
4話 officeYOU オフィスユー 12月号
今回は、主人公の佐久良ハルが、長年放置されていた洋館に住むという話でした。
戦争前から建っているというだけあって、洋館はだいぶ年季の入った状態でした。
不動産屋の社長がハルへの頼みかたが上手になってしまった場面には、笑いました。
何をどう言えばハルが動くか、工夫しながら懸命に頼む社長さんが面白かったです。
不動産業の人にとって、事情のある物件の扱いは大変なことなのだなあと思いました。
ハルの守護霊である源一郎が、洋館で出会った女性の幽霊に惹かれる場面は、意外でした。
イケメン守護霊の源一郎は、常にクールで、ハルに対して厳しく指導を入れるような毒舌キャラです。
そんな源一郎が、美人の幽霊に心を奪われてしまうなんて、予想ができませんでした。
源一郎の態度にがっかりしたハルが、不動産屋の社長に思わずぐちをこぼしてしまうところも、面白かったです。
まだまだ謎の多い源一郎ですが、こうした場面もまた見てみたいなと思いました。
話が進むうちに、ハルは洋館の関係者と出会うことになります。
なりゆきでしかたのないこととは言え、不動産屋に行ったはずが、幽霊と対面することになった関係者には、ちょっと気の毒だなと思いました。
幽霊の出る洋館ということで、どんなホラーになるのかとどきどきしていましたが、読み終えてみると人間の絆を感じさせるあたたかな話でした。