バレーボールにひたむきな少女たちの、スポ根、人間としての成長、複雑な人間模様…から目が離せない大好きな作品の待望の続刊です。
黒曜谷VS朱雀の試合の決着までが描かれたこの16巻も見応えは十分。
バレーボールに詳しくなくてもスイスイ読めるアツい試合展開はもちろんのこと、今回エピソードが掘り下げられている黒曜谷の鏡子&サラ、朱雀の寺沼&槌谷監督のそれぞれの想いは、読んでいて思わず目頭が熱くなります。
これまでは「とにかく鏡子の言うことが絶対」という姿勢を決して崩さなかったサラの、芯の強さと決意の見られるシーンは本当にゾクゾクしてしまいます。
お互いの家の事情などがあっても、やはり鏡子とサラには「主従関係」という一言では決して表しきれない、深い絆がありますね。
お互いを思いやる気持ちが強すぎるがためにままならない部分もあるようですが、彼女たちの本当の幸せと、そして自由を願わずにはいられません。
槌谷監督が、本当は家族を大切に思っていたこと、過去の弱かった自分を悔やんでいること。
私たち読者はそれを知ることで救われる部分も大きいように思います。
何より、そんな監督の育てた寺沼のこの「最後の試合」は、もう涙なしには読めません。
この試合でぐっと成長したしえちゃんの今後も気になります。
本当に、最新刊が出るたびワクワクしてしまいますし、続きがまた楽しみです!