3話 officeYOU オフィスユー 10月号
今回は、主人公の花鳥風月が定食屋ですっかり常連になっている姿が描かれました。
まず、日傘をさしながら定食屋へ向かう風月のようすが、ていねいに描かれていて良かったです。
背景から考えると、この日は晴れていて日差しの強い日だったのだろうと思います。日焼けを防ぐために日傘を持ち、かごバッグにはバンダナを合わせたりと、おしゃれを楽しむ風月が良かったです。
定食屋が近づいてくると、近くの窓を鏡の代わりにして身だしなみを整えたりするのも、風月の女性らしさが伝わってきていいなと思いました。
この日はたまたま大学の試験期間と重なっていました。いつもバイトで入っている青井柊吾が休みをとっているため、定食屋は人手が足りずあわただしいようすでした。
店の中がばたばたしているのを見かねて、風月が手伝いに入る場面が面白かったです。
風月はたまってしまった洗いものを手際よく片づけていきます。洗った後でふきんでしっかりと水分をふきとる姿に、店の人たちが見入っているのが印象的でした。
いつもお世話になっているお店の人たちが困っているのを見過ごせないというのは、風月の人柄がよく出ている話だなあと感じました。飲食店の洗いものは量が多くて大変なはずなのですが、風月はなんの苦労もなしにこなしてしまいます。こうした時に、ふだん家で家事をしているかどうかがわかるのだなあと思いました。
話の後半では、田舎から送られてきたぬか漬けに苦労していた青井柊吾が、同級生たちと一緒に風月の家を訪問する流れになりました。次回はいよいよ風月の私生活が描かれるのではないかと思います。風月がどんな家でどんな生活をしているのか、期待が高まります。
4話 officeYOU オフィスユー 11月号
今回は、大学生の青井柊吾たちが、主人公の花鳥風月の家を訪ねるという展開でした。
連載の第4話でやっと、主人公の背景が少しわかってきました。
風月は女性のひとり暮らしです。父親と母親は亡くなっていました。奥まった場所に建っている広い一軒家が風月の家です。
女性1人で住むには少し広すぎるかな、と思うような家を、風月の英語塾に通う子どもたちが守ってくれていたという話がほほえましかったです。防犯を気にした風月を見て、子どもたちが自主的にお手製の防犯装置を家にしかけるという場面が、あたたかくていいなと思いました。
自宅で開いている塾というだけあって、先生である風月と、生徒である子どもたちの距離が近いのかなと思いました。家族でも親戚でもないのに、子どもたちが一致団結してここまで動くというのは、風月と子どもたちの日ごろの関係性があってのことなのではないかなと思いました。
柊吾たち大学生をもてなそうとして、風月が出してきたおやつの種類と数がすごかったです。
クッキー、ケーキからチョコレート、キャンディ、マカロンまで、思い浮かぶ内容のお菓子が後から後から出てくるのです。
今まで家の中で風月が食べていたのはこれだったのだなということがわかって、少しすっきりしました。
風月の優しい性格からすると、きっと英語塾の子どもたちにも同じお菓子をふるまっていると思います。子どもたちが風月を好きな理由のひとつは、もしかしたらこのお菓子の山なのかもしれないなあと思いました。