ぶちおのお師匠である百合さんの、家族との確執にクローズアップした巻でした。
自分の価値観が家族と噛み合わず、疎外感から家を飛び出していた百合さんを見て、他人事のように読み進めることはできませんでした。
「狐とリセットボタン」の、ぶちおと百合さんの衝突の場面は、家族との付き合い方ってなんだろうと考えさせられました。
意固地になってしまう気持ち、受け入れられない気持ち、でも本心では家族の和から外れたくなかった気持ちは、自分自身の中で行動を起こさないと、いつまでも付き纏うのだなと考えさせられました。
本心を無視するせいで苦しそうな百合さんに、歯がゆく思うぶちおとたいら君の寄り添う関係性に、読者である自分ですら救われるような気持ちになりました。
自分の意図しないところで人に想われていること、ふと自分の周りを見渡せるキッカケになりました。
紆余曲折を経て、家族と向き合う百合さんの前後の表情の変化や、ずっと避けていた事といざ向き合えた時の話がとても素敵に描かれていました。
誰にだってある生まれ故郷と心の故郷は、何処にだって自分の大切な場所は生まれるんだと感じました。
百合さんが、避けていた生まれ故郷で感じた素直な喜びは、そっと自分を支えてくれる出来事になっていくのではないかと、読んでいて嬉しかったです。
第3巻の発売が、とても待ち遠しいです。