2話 officeYOU オフィスユー 8月号
今回は、主人公のミチルと、ミチルの父親をモデルにしたAI搭載ロボットの対立が描かれました。
前回までは、ミチル・母親・AIの生活がうまくいきそうでした。しかし今回は、あいまいな状況を判断できないAIが不条理な行動をくり返します。
AIの言動にミチルはふりまわされてしまいます。AIだから当然と言えば当然なのかもしれませんが、無表情のまま不可解な行動をくり返すAIは、ちょっと怖かったです。
今回のAIはまるでホラーやサスペンスに出てくる正体不明の登場人物のようでした。家庭と職場の状況にふり回されるミチルが、助けを求める人もいないまま、たった一人でAIに対処を続けるようすを見ていると、大変なことになってしまったなあ、という気持ちになりました。
家の中というある意味では密室状態の場所で、予測のつかないできごとが次々に起こると、こんなに追いつめられるような気分になるものなのだなあ、と思いました。
ミチルはAIから母親を守ろうと奮闘します。しかし、母親は亡くなった父親が用意してくれたAIをかばいます。父親の気持ちを尊重したい母親の気持ちもわかるし、板挟みになったミチルの気持ちもわかるし、どっちの立場になっても辛いなあ、と思いました。
今回の展開を見ていると、このままAIと母親の同居を続けさせるのは、難しいなと思いました。AIの今後をどうするのか、老いた母親の生活をどうするのか、ミチル一人ではすべての対応は無理だと思います。誰か助けてくれる人が必要だと思いました。
3話 officeYOU オフィスユー 10月号
今回は、主人公のミチルが大きな決断をする話になりました。
前回はすっかり父親のAIにふりまわされていたミチルですが、今回はAIとの会話から父の遺志を知ることになります。
AIが見せた父親の道具から、ミチルは父親のシザーにまつわるできごとを思い出します。
まだ子どもだったころのミチルが、親の仕事中に店で怪我をしてしまうところには、ぞっとしました。母親はミチルを叱りますが、まだこの年齢の子どもは社会の中で大人と同じようにふるまうことはできないのだなあと思いました。家の中で親の目があっても、子どもは思わぬ動きをするし、事故や事件につながることもあるのだなあと思いました。
大人であっても子どもであっても、未知のできごとに対応するのは難しいのだなということを感じました。どれだけ安全に気を配っていても思わぬことというのは起きてしまうこともあります。大切なのは起こった時に最善の行動をとることができるかどうかなのだろうなあと思いました。
ミチルの回想を読んでいると、ミチルがどれだけ父親とその仕事を尊敬してきたかがよく伝わってきました。ミチルにとって今回のできごとはとても大変だっただろうし、辛かっただろうなあと思いました。
父親の言葉を思い出したミチルは、東京に帰るという決断を下します。しばらく離れていた店でも、何かが起きているのではないかという予感がします。親との関係と自分の仕事、どちらも大変だと思いますが、周囲の助けを借りながら乗りきってほしいと思います。