ネタバレOK?なっちゃんのメモめも

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Paradise kiss パラダイス キス 最終回 結末 ネタバレ注意

このマンガでヒロインの紫と恋人のジョージは強く惹かれ合っているのに、紫は最終的に彼と共に歩む未来を選びません。

最後の最後にヒロインが恋人との別れを選ぶというのは、これまで読んできた少女漫画と違う大胆な展開で驚きました。本当にジョージはパリに行ってしまうのか、紫はついて行かないのかとドキドキして最終話を読みましたが、本当に二人は離れ離れになってしましまいます。

ジョージが最後まで自分の美意識を貫きパリまで船で出発するのにはくすっと笑えますが、紫がモデルの仕事を優先し、最後にジョージを見送りにいかないところがとても切ないです。

自分の夢とジョージの夢が一緒にいては叶わないことを理解して、恋よりもお互いの夢を優先することを選んだ紫。見送りに行かなかったのはその決意の表れだとも思いますが、紫がその日に「わざと仕事を入れた」本当の理由は、最後に会ってしまえばずっと一緒にいたい、離れたくないと縋ってしまいそうだから……そんな自分を見せたくないという意地からだと思いました。

紫は最初自分の意思がなく流されるばかりの優等生でしたが、ジョージとの出会いを通して人としても女性としても葛藤し、強くなり、成長したんだなあと感動しました。最終話は切ないですが、成長した紫はヒロインとしてとてもかっこいいです。

ジョージがいなくなり、世界がモノクロに見える紫。家に帰るとジョージからの小包が届いています。

ここからの展開が、今まで読んだ少女漫画の中でもいちばん感動しました。

小包の中に入っていた鍵で紫が貸倉庫を開けると、中にはジョージからの贈り物が残されています。ジョージがそれまでに作った服、靴、帽子……デザイナーであるジョージのの命ともいえる、パラダイス・キスの作品すべてを彼は紫のために置いていったのです。

紫が泣き崩れるシーンは、読んでいて涙が止まりませんでした。

最後に言葉もキスも交わすことなく別れてしまった不器用な二人ですが、言葉にしなくても伝わる絶対的な絆があります。服を置いていくのはジョージなりの最大限の愛の示し方だと思いました。

船の上で、デザイナーにとってのミューズの大切さをイザベラに語るジョージの表情は切ないですがとても優しいです。

これが二人の選択なんだなあと改めて納得することができました。

10年の月日が流れ、モデルとしてそれなりに活躍する紫。すっかり大人になって、海外に行けるほどの実力はないと身の程を知っています。

楽しそうに笑っていますが、ジョージのドレスを着た写真を見つめる表情はやっぱり切なくて、ジョージのことを決して忘れていないんだと分かります。ジョージの置いて行ったパラキスの服を10年経っても来ている紫。

来月結婚するとのことですが……相手がなんと徳森くん!これにはちょっとびっくりしました。彼は少女漫画において決して報われないポジションだと思っていたのに(笑)

私はジョージも徳森くんも好きだったのでこれはこれで嬉しかったです。もともとハイスペックだった彼ですが、医者になる夢をかなえた彼はまさにイケメンエリート。しかも優しくて、紫のジョージに対する思いにも理解があるという完璧な旦那さんです。

徳森くんの実和子に対する想いと、紫のジョージに対する想い、それをお互いに受け入れて普通に話題にすることができる二人は大人で素直にお似合いの夫婦だと思いました。

二人は新婚旅行でアメリカに行く、ジョージが衣装をデザインしたブロードウェイのミュージカルを見るために……というところで話は終わりです。

お互い好きだからといって一緒に生きていける訳ではないというところも、結局違う人と結ばれるところも、現実的で切なくて、リアルに感動しました。

ジョージと紫は人生のパートナーにはなれなかったけれど、ジョージにとって紫は永遠のミューズで、二人の間には恋愛だけでは語れない絆が一生あるんだと思います。

読むたびに切なくて、だけど前向きな気持ちにさせてくれる大好きな作品です。