ネタバレOK?なっちゃんのメモめも

ただの漫画好きおばさんのただのメモ 雑談も多めです~

ミステリと言う勿れ 8-2話・8-3話・8-4話 5巻 ネタバレ注意

8-2話 月刊 flowers フラワーズ 7月号

今回面白かったのは、主人公の久能整と、放火犯の協力者・陸のやりとりでした。

整と陸の会話は、最初は単なる雑談といった軽い感じで始まりました。飲み物の話題で「ロイヤルミルクティーが和製英語だった」という言葉には驚きました。確かに言われてみれば、何がロイヤルなのか知らないで飲んでいたなあと思いました。気になったことをきちんと調べるのが、整らしいなあと思いました。

整が事件について調べているのではないかと疑っている陸は、整が何をどこまで知っているのかを会話の流れで探ろうとしてきます。しかも、愛想のいい口調や態度で、整を取りこもうとしてきます。

しかし、整はマイペースな態度で陸をやりすごし、代わりに陸の行動の理由を尋ねるなど、さりげなく突いていきます。陸はおそらくわりあいざっくりした性格なのだろうと思います。上手く整をまるめこむつもりが、かえって揺さぶられることになっていました。

整と陸の会話に、同席していた女性はまったく気がついていませんでした。こうした当事者同士の心理的な駆け引きを、会話の積み重ねで見せていくというのが、とても上手いなと思いました。一見、普通の会話なのですが、お互いに出したり引いたりしているというのがわかって、とても面白かったです。

また、クリスマスイブの整とライカの場面がせつなかったです。いつも冷静なライカが、プレゼントを見て少し表情がやわらかくなっているのが印象的でした。

プレゼントに対するライカの言葉も気になりました。さりげない季節のイベントに見えますが、この言葉が後になって物語に影響してくることがあるのではないかと感じました。

8-3話 月刊 flowers フラワーズ 8月号

今回は、放火事件に関わっていた人物たちによって、主人公の久能整が悪夢のクリスマスを迎えるという話でした。

放火事件の裏を追っていた整は、事件に関わっていた陸という人物に火をつけられそうになってしまいます。かなりせっぱつまった状況ではあるのですが、たいへんな時でも冷静な整と、直情的な陸の対話はとてもテンポが良く、読みやすかったです。

事件が起きた家庭には、必ずある問題が起きていました。放火に関わった香音人と陸、事件で生き残った人たちには、ある共通点がありました。それぞれが語る家族関係や家庭での体験は、言葉にするのが難しいことばかりでした。

生き残った人のうち、10代の男性が語った体験がとても重かったです。悪夢から逃れたはずなのに、その悪夢が終わらないという男性の話は、出口のない迷路に入りこんでしまったかのような内容でした。

事件に関わっていた香音人や陸も、それぞれに苦しみを抱えて生きています。行動の動機が善意だったにもかかわらず、自分の行為が他人の救いにはならなかったという展開は、とても悲しかったです。

中盤の展開がとても厳しいものだったため、相手が事件の実行犯と知りながら、落ち着いた態度でいつものように対応する整を見ていると、ほっとしました。この人がいてくれれば、きっと大丈夫だと思いました。

主人公の整が、陸から香音人へたどり着いたため、今回で事件は解決するかと思われました。しかし、最後の最後に整が放った一言によって、今まで追ってきた事件の謎が、さらに深まってしまいました。まったく予測のつかない展開になったため、次回がどんな話になるのかがとても楽しみです。

8-4話 月刊 flowers フラワーズ 9月号

今回は、一連の放火事件が収束に向かうという展開になりました。

前回の最後、主人公の久能整が放った衝撃的な発言から、話は始まります。

その後の整と陸の会話から、何が起きていたのかが明らかになります。すぐに結論にたどり着くのではなく、整がひとつずつ疑問を解きながら話を進めていくのが上手いと思いました。今までの整の発言や行動を見ていて、どうして今こんなことを言ったりしたりするのだろう、と思うことも多かったのですが、整の推理を聞いていくうちに、だんだん謎が解けていきました。

部屋で何が起きたのかを陸が思い出す場面は、読んでいて辛かったです。傷ついた子どものために放火をくり返していた井原香音人も、陸も、他に誰も頼れる人はいなかったのです。ある意味で、救われるべき子どもたちは彼ら自身だったのだと思います。明らかに援助が必要な人たちを、受け入れる場所も人もなかった、それが今回の事件の遠因になっていると思いました。

陸に対して、整が社会の中で大人が果たすべき役割についてたんたんと語るところが印象的でした。整がもし自分の思うとおりの大人になって社会に出たとしたら、それで助かる人はたくさんいるだろうなと思いました。もし、整のように考えて行動する人が増えていったら、こういう事件を未然に防ぐこともできるのだろうなと思いました。

整とずっと不思議なかかわりを持ってきた女性・ライカが、切迫した局面で平然と登場するのには、驚きました。ふだんあまり表情を変えない整が、ぎょっとしているのが面白かったです。

起きてしまったできごとは変えられないし、悲しみは哀しみのままですが、生き延びた人たちが少しでも幸せになりますように、と思いました。