ネタバレOK?なっちゃんのメモめも

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依存症ってなんですか? 菊池真理子さん 1話・2話 ネタバレ注意

1話 エレガンスイブ 7月号

映画が公開される『酔うと化け物になる父がつらい』を描いた菊池真理子さんが、新連載を開始しました。第1話で主題になったのは、アルコール依存症です。

物語は作者の子ども時代から始まります。周囲の大人たちの飲酒のようすを、作者さんが離れたところから客観的に見ていることがわかります。酔っぱらった大人と一緒になってはしゃいだり、さわいだりするのではなく、作者さんは離れた場所から大人たちを見ています。子どものころからこうして他人を観察してきたことが、現在の作家活動につながっているのかもしれないなあと思いました。

物語の中で時間は進みます。作者さんが30歳を過ぎたころの場面で、一緒にお酒を飲んでいた女性が、飲みすぎてしまう展開になります。作者さんが子どものころの場面では、お酒は明るいもの、楽しいものとして描かれています。しかし、作者さんが大人になった場面では、飲みすぎは社会の中では恥ずかしいこと、迷惑なことという反応が出てきます。2つの場面に出てくる人物たちの言動は、同じお酒をめぐる内容ですが、中身は正反対です。作者さんの体験を整理して描くことで、作者さんがどのように父親の飲酒と向き合うことになったのかがわかりやすく、構成がとても上手いと思いました。

また、作者さんが取材である病院を訪問したことが、『酔うと化け物になる父がつらい』の連載につながったことが明かされています。アルコール依存症を治療している医師の、「お酒のせいで人間関係が壊れたことがあれば治療の対象です」という言葉が印象的でした。お酒の量や飲みかた、依存の度合いによって、ほどほどの場合があれば、危険な場合もあるのだなと思いました。

自分が当事者であっても、そうでなくても、依存症の知識があれば、できることがあるのかもしれません。漫画の連載を通じて、すこしでも依存症に関する知識を深めることができたらいいなと思いました。

2話 エレガンスイブ 8月号

今回は『酔うと化け物になる父がつらい』を書き終えた後の作者の日常が描かれました。

作者から見た父親の姿を描いた『酔うと化け物になる父がつらい』は、作者の子どものころからの体験がていねいに描かれていて、読むだけでもしんどい作品でした。その作品を描いていた作者は、こんなに脱力してしまうほど大変だったのだなあと思いました。

作品が世に出たことがきっかけになって、作者は講演を依頼されるようになりました。今回は特に、高知県を訪問したときの体験が描かれていました。

講演の前に、作者と担当者が高知県の名所を観光するところは、面白かったです。ひろめ市場で出てくる食事が、とても美味しそうでした。市場の貼り紙や他のお客さんの話から、地元ではカツオがとても大事にされているのだなと感じました。

また、他の地域から来た作者たちにも気さくに話しかけてくれるなど、周囲のお客さんたちがとてもあたたかいと感じました。ほとんどの人がビールを片手に食事を楽しんでいて、こんなににぎやかな場所で食べると、美味しさが違うだろうなあと思いました。

話の後半では、講演を依頼した病院で、断酒会に参加することになります。

断酒会では患者さんたちが酒に関する話を自由にしていました。話をしている間は「言いっぱなし、聞きっぱなし」で、誰もが自分の考えや思いを表現していました。

参加した人たちの明るさや優しさにふれて、作者が父親のことを思う場面が印象的でした。作者にとってはこうして漫画を描くことで「言いっぱなし」と同じ効果が得られているのかもしれないなあと思いました。