Cocohana ココハナ 6月号
いくえみ綾さんの最新読み切り作品です。
アラフォーの幼なじみ二人が、隣どおしの実家に出戻り、再会する所から始まります。
主人公の「れみ」は夫と死別し、小学生の娘と共に実家に身を寄せます。
れみの幼なじみである「季(とき)」は、資産家の娘と結婚して幸せに暮らしているはずが、なぜか離婚して実家に戻ってきたのでした。
狭い町中で、なぜ季が出戻ったか噂になります。
真相は本人にしかわかりませんが、季はとても落ち込んだ様子。
心配になったれみは、季に話しかけます。
「奥さんをほんとに愛してた。かわいくて愛しくて俺なんかを選んでくれて本当にありがとうって。お義父さんら豪快で、お義母さんは頭がよくて、お義祖母ちゃんはチャーミングで、奥さんは天使だった。
この俺の、俺達の、どこに離婚の原因があると思う?」
と、れみに打ち明け始める季が鬼気迫っていて、なんだろう?なんだろう?と、とても引き込まれました。
そこにはとても悲しい理由がありました。
「俺、種無しだった・・・。」
と、れみに告げ、涙を流すシーンでは、れみと一緒に季の頭をなでてあげたくなりましました。
離れて住んでいても、1日2回ほど顔が浮かんだりする存在の幼なじみ。
お互いが心の支えとなっていることが簡潔に描かれており、面白く読めた作品でした。